NEC、AIでエクササイズ支援や呼吸時の体の動き可視化などのヘルスケア技術を公開
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NECは3月13日、ヘルスケア事業の説明会を開催し、AI(人口知能)やセンシング技術を活用したヘルスケアソリューションを紹介した。
説明会では、「運動指導」「呼吸可視化」「歩容可視化」の3つのソリューションを紹介した。「運動指導」は、スマートフォンやタブレット端末で映像解析することで、自宅での正確なエクササイズを支援するAI技術を説明した。


スマートフォンやタブレット端末で撮影した映像を解析し、専門家の理学療法士のレベルで動作をチェックし、エクササイズの良しあしを判定する。背中の動きを高精度に推定する独自技術を採用したことで、専門家相当の認識率で84.4%を達成した。

また、NECのAI「cotomi(コトミ)」を活用し、理学療法士の知識データやアドバイスの文章を学習。AIがアドバイスを生成し、慢性腰痛の患者に分かりやすい表現で助言する。
「呼吸可視化」では、タブレット端末を使い非接触で、呼吸時の胸と腹の動きをAIで可視化する技術を紹介した。

タブレット端末に搭載されている距離や位置や形状を検知できるセンサー「LiDAR(ライダー)」の画像から、胸骨とへその位置をAIで自動抽出。それぞれの位置で呼吸時の動きを波形グラフで表示する。

非接触で3次元計測が可能で、対象者の体にマーカーを付けて計測する必要がないため、大規模な機材が不要で、利用者の負担も少ないという。東京科学大学と共同で開発した。最近の研究では、呼吸と腰痛の関連性が報告されており、NECでは適切な呼吸を促し、腰痛改善に役立ててもらう。
「NEC呼吸可視化サービス」として、呼吸トレーニングを行う整骨院や接骨院、パーソナルジムなど展開する企業を対象に3月末をめどに提供を開始する。また、東京科学大発のベンチャーのVitalizar(ビタリザ)に特許ライセンスを提供し、4月から個人事業主の接骨院やジムに向け展開する。

「歩容可視化」では、脳卒中の患者向けに「歩行センシングインソール」と呼ぶ専用機器を使ったリハビリを支援のAI技術を紹介した。脳卒中のリハビリテーションでは、患者の中で発症前の歩き方をイメージと発症後の歩き方とのギャップがあり、新字術では、その差を可視化することでリハビリを支援する。

具体的には、歩行センシングインソールにセンサーを装着し、健常な足と、まひした足を個別計測し、バランスを可視化する。「歩幅」「足底設置時間」「足圧中心移動指数(CPEI)」の3種類のデータを可視化が可能。「CPEI」では重心移動をうまくできているか、地面からかかとやつま先がどれぐらい上がっているのかといったことが分かるという。データは、スマホから専用アプリで確認できる。

宮川伸也・NECバイオメトリクス研究所所長は「ヘルスケア分野では、健康状態についてのデータを日常的、長期的に収集し、徹底的に分析することで、病気の早期発見や予防医療に生かすことができる。われわれは生成AIや画像解析、グラフ解析などの技術を持ち、データ分析には自信がある。ヘルスケア事業では、この強みを生かしていく」と、説明会で抱負を述べた。