キュアコード、富山大と開発の長期記憶能力測定・改善アプリが特許を取得
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医療・ヘルスケアのスマートフォンアプリ開発ベンチャーのキュアコード(富山・富山市)は3月7日、富山大学と共同開発した高齢者向け長期記憶能力測定・改善アプリ「Statice(スターチス)」が、運動で長期記憶の定着を促進する「エピソード記憶能力改善装置」の特許を取得したと発表した。
「エピソード記憶」は、自身の体験に付随した時間や場所、感情などの出来事(エピソード)と連動する長期記憶の1つ。「Statice」は、これまで実施が難しいとされていたエピソード記憶能力の評価を、スマホで遠隔から検査することが可能。また、ウエアラブル端末と組み合わせて、適度な有酸素運動量を指示し、記憶の定着を促進する機能をアプリに実装することで記憶力の定着に有効なことを確かめた。

具体的には、記憶の定着を促進する機能で「学習」と「試験」の二段階の記憶テストを用意。「学習」は、複数の画像や音声を見て記憶するテスト、「試験」は、学習から48時間以上経過後、元の情報を含む新たな画像や音声を見て、以前見たものかどうかを判断するテスト。
有酸素運動量の提示では、学習セッション後、ユーザーの年齢と心拍数から最適な有酸素運動を示す。また、ウエアラブル機器で心拍数をモニタリングし、最適な運動強度の維持を行う。さらに、ユーザーの進捗(しんちょく)を分析し、記憶能力の向上が限界に近づいた時点で次のステップへの移行を指示する。騒音レベルや心拍数を検知し、集中に適した環境かを判断する機能も備える。
アプリは富山大学学術研究部工学系の田端俊英教授らの研究グループと開発した。キュアコードでは、高齢者の記憶能力低下の効果的な抑制に加え、アプリが記憶能力低下の兆候を鋭敏に検出できるため、若者も早い段階から記憶力の維持や向上させるトレーニングができるようになるとしている。