東芝、筑波大学などと睡眠やゲノムデータから睡眠負債の疾患リスク予測法を開発
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東芝は11月21日、筑波大学、睡眠計測サービススタートアップのS’UIMIN(スイミン、東京・渋谷区)と、睡眠やゲノムのビッグデータの分析から睡眠負債が引き起こす疾患リスクを予測する方法の開発で共同研究を開始したと発表した。
研究では、東芝の1.5万人を超える社員が登録する企業コホートを活用し、研究参加に同意した従業員の睡眠データ、遺伝情報、過去10年以上の健康情報(健康診断、問診結果、レセプトデータ)を組み合わせたデータベースを構築する。協力社員は5000人を目標にする。
睡眠データの取得には、スイミンの専用センサーで睡眠時の脳波を測定してAI(人工知能)解析する睡眠計測サービス「InSomnograf(インソムノグラフ)」を活用。東芝の従業員に、自宅で、「InSomnograf」のセンサーを5晩の期間で装着してもらいデータを取得する。
3社は5000人から得たデータを解析し、睡眠の量や質の個人差に関係する遺伝子を特定。慢性疾患の罹患(りかん)リスクや生産性低下との因果関係を評価することで、睡眠負債が引き起こすリスクの予測法を開発する。
データの解析は、筑波大学の国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)が神経科学や医学的知見を組み合わせて行う。睡眠の量や質の個人差に関係する遺伝子を解明。また、遺伝子の違いと睡眠負債に起因する慢性疾患の罹患リスクや生産性低下との因果関係を評価する。研究は2024年11月から2026年3月まで実施する。