ESジャパン、音声感情解析を活用し、オペレーターのうつ症状を早期予測する実証研究

音声感情解析専門会社のESジャパン(東京・豊島区)は9月4日、産業医科大学榎原毅教授、江口尚教授らと共同で、声から感情を可視化する音声感情解析サービス「ESAS(イーサス)」を活用し、うつ症状を早期検出するモデルの実証研究を開始したと発表した。

実証研究では、コンタクトセンターのオペレーターの音声通話を経時的にモニタリングすることで、うつ症状を早期に予測できるモデルの開発に取り組む。同時に、感情の適切なコントロールについての知見も深める。実証は、ESジャパンの親会社のCENTRIC(セントリック)の熊本支店で実施し、検証を行う。

ESジャパンによると、オペレーター業務は顧客の顔が見えない状況での電話対応やクレーム対応などでストレスがたまりやすく、メンタルヘルスや離職が大きな企業負担、社会問題となっているという。

同社は、こうした課題に対し、音声感情解析の結果を使って、組織内のコミュニケーションから従業員の離職などを予測する技術を開発。また、産業医科大学と共同研究でメンタルヘルスケアの論文を発表するなど、音声感情解析結果の活用に取り組んでいる。今回、実証研究する技術は、医療分野で患者の感情解析など、幅広い応用を見込んでおり、将来的にはアプリケーションサービスとして、企業や医療機関に提供する計画。