DXを積極的に取り組む病院は20%以下 JMA調査
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日本能率協会(JMA)は2月3日、全国の病院を対象に病院が抱える経営課題をアンケートした「病院経営課題の実態調査(2024)」の調査結果を発表した。それによると、DX(デジタルトランスフォーメーション)に対して積極的に取り組む病院は20%以下にとどまっていることが分かった。
調査は、超少子高齢化社会への対応に向けた病院経営課題の実態調査を目的に、DXの動向、現在の病院の経営課題、高齢者がピークを迎え労働者が大きく減少する2040年に向けた対策と取り組みについて、全国の約8000の病院を対象に行った。

DXの取り組みでは、約80%の病院が重要と回答した。一方で、「積極的に取り組んでいる」と回答した病院は20%以下だった。また、DXに取り組む病院で効果があったと回答したのは30%以下となった。

現在の経営課題では、「人件費の増加」と「人件費以外の経費の増加」と回答する病院が50%を超え、経費の高騰が経営課題になっていることが分かった。また、労働集約型産業の病院では人手不足が深刻となっており、「職員確保難」と約50%の病院が回答した。

また、医師や職員不足が時間外労働の課題と回答した病院が40%を占めた。JMAでは、人手不足が働き方改革の課題となり、人件費と人材派遣会社への手数料増加に影響していると分析している。

収入では、外来・入院の前年度収入がコロナ禍前に戻らない病院が40%以上を占める一方、コロナ禍前より成長した病院は約30%にとどまった。

高齢者がピークを迎える2040年に向けた対策と取り組みについては、「対策を進めている」と回答した病院は13%で、「対策を計画している」(33.6%)や「対策を進められていない」(53.4%)との回答が87%を占め、病院が将来に向けた対策が進んでいない様子がうかがえるという。
調査は、8141病院を対象にウェブアンケート形式で2024年11月8日~29日の期間に実施。有効回答は223施設だった。