総合病院の6割が「医師の働き方改革」に対応、最大の課題は「人材不足」 エイトレッド調査

ワークフローシステムのエイトレッド(東京・渋谷区)は11月27日、病床数200以上の総合病院のバックオフィス担当者を対象に実施した、「医師の働き方改革」の実態調査の結果を発表した。それによると、約6割が「医師の働き方改革」の対応が進んでいると回答。課題については「人材不足」が最多となった。

総合病院のバックオフィス担当者に2024年4月から開始された「医師の働き方改革」の対応が進んでいるか尋ねたところ、10.5%が「十分進んでいる」、46.7%が「やや進んでいる」と回答した。

「十分進んでいる」「やや進んでいる」と回答した担当者に、具体的な対応を質問したところ、「勤務時間を正確に記録・管理するシステムの導入」(61.7%)がトップだった。次いで、「当直・夜勤体制の見直し」(61.7%)、「診療時間(外来・手術など)の調整」(33.3%)という結果になった。

一方で「あまり進んでいない」「全く進んでいない」と回答した担当者に、医師の働き方改革対応の課題を聞いたところ(複数回答)、「人材不足(60.7%)」が最も多かった。そのほか「労働時間の正確な把握」(46.4%)、「医師への周知」(21.4%)と回答した。

医師の診療外業務で特に負担が大きいと思われる作業は、「診療記録の作成・管理」38.1%、「各種書類の作成」が30.5%、「患者・家族との面談」が24.8%だった。

「医師の働き方改革」開始後、バックオフィス部門で残業時間に変化があったか尋ねたところ、「やや増加した」(16.2%)、「かなり増加した」(5.6%)と回答した。

導入しているシステムやデジタル機器は、「電子カルテ」が81%と最も高く、続いて「自動精算機」(59%)、「レセコン(レセプトコンピューター)」(49.5%)となった。

院内のペーパーレス化の進捗状況は、「あまり進んでいない(進捗割合:30~49%)」が25.7%がトップで、「ほとんど進んでいない(29%以下)」は15.2%だった。「あまり進んでいない」「ほとんど進んでいない」と回答した担当者に、ペーパーレス化が進まない理由を尋ねたところ、「紙の方が使いやすいから」(37.2%)、「システムの導入コストが高いから」(27.9%)と回答した。

「医師の働き方改革」を踏まえて、業務効率化のために実施や検討中の取り組みを聞いたところ、「医師の業務の他職種への移管」(30.5%)、「ペーパーレス化」(30.5%)、「医療従事者の追加採用」(30.5%)という結果になった。

エイトレッドでは、バックオフィスの効率化が与える影響として「コスト削減」「リスク管理の強化」「意思決定の迅速化」「生産性・モチベーション向上」などを挙げており、バックオフィスの業務効率化を図ることで医療業務支援や患者の満足度向上につながると分析している。

調査は、病床数200以上の総合病院(大病院)に務めるバックオフィス担当者105名を対象に、10月29日~11月5日にインターネットで実施した。