医師の約4人に1人がAIを業務利用、活用で労働時間削減意向、インディード調査
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インディード・ジャパンは9月27日、男女1000名の医師と看護師を対象に実施した、AI(人工知能)の業務利用の調査結果を発表した。それによると、医師が23.7%と約4人に1人、看護師は7.5%がAIの業務利用経験があることが分かった。
医師で、現在、AIを業務に利用する人は17%で、過去利用も含めると23.7%がAI使用の経験があった。一方、看護師では、現在、AIを業務に利用する人は5.7%、過去利用も含めると7.5%だった。
AIの業務利用で実感した変化を尋ねたところ、AIの業務利用経験のある医師と看護師ともに、半数以上がAIの業務利用で「大量の医学的なデータや文献を活用できた(医師1位:54.1%、看護師2位:55.1%)」「業務を効率化できた(医師2位:50.8%、看護師1位:59.8%)」と回答した。
AIの業務利用意向について、医師の約7割(68.9%)、看護師の5割以上(54.2%)が「利用したい」と回答した。特にAIの業務利用経験のある人(利用経験あり医師:87.9%、看護師:78.7%)の利用意向が高かった。
AIの利用で削減したい労働時間は、医師が1週間あたりで平均11.6時間(平均21.9%)、看護師は1週間あたり平均10.3時間(平均23.1%)をAI利用で削減したいと回答しており、AIで業務を効率化したい意向の高さが浮き彫りになった。
今後AIを利用したいと思う業務に対しては、医師の約6割(59.1%)が「診療記録の作成」などの定型の事務作業にAIを活用したいと回答。業務効率化への意向が強いことが分かった。一方で、44.2%が「患者の病状の評価と診断」「検査結果の解析と診断の立案」などの情報分析や課題解決業務での利用意向があり、AIを医療の「質」の向上につなげたい意向も明らかになった。
看護師も医師と同様の傾向で、最も多かったのが、「患者の受付業務」「記録作業」などの定型の事務作業で39.1%。次いで、患者の病状のアセスメント」「ヒューマンエラーの防止」などの情報分析・課題解決業務で36.8%だった。医師、看護師ともにAIで業務効率化と医療の「質」向上の意向があることが読みとれる。
インディードでは「医師と看護師の間でAIの業務利用経験率はいまだ高くないものの、AI導入に対する利用意向が高いことが確認され、今後のAI導入に対する期待の大きさがうかがえる」(青木雄介・エコノミスト)と分析している。
調査は、医師が424名(24歳~59歳)、看護師は576名(20歳~59歳)を対象に8月7日~8月14日にインターネットで実施した。