ヘルステックで使用率トップは心拍数など測定できる腕時計機器、電通調査

電通は9月9日、ヘルスケア分野のビジネスモデルの策定や開発などを行う専門組織「電通ヘルスケアチーム」が最新動向や市場などを生活者にリサーチする「ウェルネス1万人調査」で、第18回目の調査結果を発表した。

使用率が最も高いヘルステックのIT機器・サービスは「腕時計型デバイス」が1位
使用率が最も高いヘルステックのIT機器・サービスは「腕時計型デバイス」が1位

調査によると、使用率が最も高いヘルステックのIT機器・サービスは「心拍数や歩数、睡眠の質などを測定できる腕時計型デバイス」で11.7%。使用意向率は33.7%だった。2020年と比べ181%と高い伸びを示した。

また、栄養状態や腸内環境、睡眠の質などを検査・測定するサービス、「1日に必要な栄養の大半が取れるパンや麺(完全食)」の使用意向率と現在の使用率も高い伸長傾向だった。

男女別の関心の高い健康状態データ
男女別の関心の高い健康状態データ

男女別で健康状態のデータで関心のあるものを尋ねたところ、女性が、日々のコンディション把握に関連する「心の疲れ度(ストレス)」(39%)「睡眠の質」(36.3%)「ホルモンバランス」(33.4%)などのヘルスケアデータが上位を占めた。

男性は、「血圧」(36.6%)「体脂肪率・内臓脂肪レベル」(29.6%)など、健康診断で指摘される項目の関心が高かった。ヘルスケアデータを活用したサービスの利用意向では、全体の半数以上が「利用したい」と回答したが、「有料でも利用したい」と答える人は10%以下だった。

健康のための「商品」にかける1カ月あたりの金額は、直近の5年間で最も少ない1269円となった。健康のための「サービス」にかけている金額は、2023年の896円から増え、948円だった。

生活者が感じる「頭痛」の原因の1位は、気象影響の「気圧の変化」で55.5%だった。「ストレス」(51.2%)や「体質」(29.7%)を上回った。「耳鳴り・耳の閉塞(へいそく)感」や「だるさ」などの軽度不調の原因でも「気圧の変化」が、3位以内にあがった。

「ウェルビーイング」の言葉の認知度
「ウェルビーイング」の言葉の認知度

「ウェルビーイング」の言葉の認知度は31.1%だった。初回調査時、2022年の20.8%から10ポイント以上の増えたものの、言葉の認知度は生活者の約3割と低い結果となった。

「ウェルネス1万人調査」は、2007年から毎年実施。今回から「軽度不調の原因」や「関心のあるヘルスケアデータ」の質問も新設した。調査は、6月7日~6月10日の期間、全国の20~60代の男女を対象にインターネットで実施。サンプル数は10000名で、地域構成比を人口構成比(R2国勢調査)にあわせて回収した。