医療DXが進んでいるクリニックは3割止まり ギミック開業医調査
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クリニックのDX(デジタルトランスフォーメーション)支援のギミック(東京・渋谷区)は7月28日、全国の30~90代の開業医433人を対象にした医療DXの実態調査の結果を発表した。それによると、DXの取り組みで電子カルテの導入が進む一方で、自院ホームページ開設やWEB予約システムの導入率は低く、DXの取り組みが十分に進んでいないことが分かった。


調査で、導入しているシステムやサービスを尋ねたところ、最も導入率が高かったのは「電子カルテ」で65.6%だった。ただ、年代別では30代が約9割に上る一方、60代以上では約5割と、世代間で大きな差があった。「自院ホームページ」の開設率は62.1%と、一般企業の93.2%と比較しても低水準だった。さらに、「WEB予約システム」の導入率は28.4%と3割を下回った。


自院の医療DXが進んでいるかの問いには、「進んでいる」と回答したクリニックは全体の約3割(34.9%)にとどまった。推進の障壁では「コスト」(68.1%)がトップで、「人材不足」(42.6%)が次いだ。また、若い世代ほどDXに積極的で、高齢の開業医では導入率が低い傾向もみられた。
ギミックでは、調査結果を受けて、医療DXは業務効率化だけでなく、人材不足の解消や医療の質向上にもつながる可能性があり、導入のハードルが高いと感じる医師にこそ、まずは情報収集から始め、業務の一部に低コストのツールを取り入れるなど、段階的な導入を検討することが重要と提言している。