中小病院情シスの半数、運営状況に「余裕ない」 8割超が離職・休職検討 ユカリア調査
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ユカリアは4月10日、100~400床規模の中小病院における情報システム(情シス)部門の体制とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の実態調査を公表した。それによると、情シス担当者の51.4%が運営状況に「余裕がない」と答え、うち83.3%が業務負荷を理由に離職や休職を検討した経験があることが分かった。

余裕がないと答えた担当者が感じる最大の課題は「業務が特定の担当者に依存しており、引き継ぎや分担の仕組みがない」が、27.8%で最多だった。次いで「セキュリティーや障害発生時の対応手順・責任体制が明確でない」が22.2%となり、属人化や体制整備の遅れが浮き彫りになった。

情シス部門で時間が割かれている業務は「トラブル発生時の対応手順が標準化されておらず、都度個別対応している」が、45.7%で最も多かった。「システム保守・運用の業務分担や役割分担が明確でなく、非効率になっている」と「他部門との役割分担が曖昧で、本来担うべきでない業務も対応している」が、それぞれ32.4%で次いだ。

意思決定で最も参考にしている情報は「院内(経営層・上司・他部門)からの方針や意見」が24.8%でトップとなった。一方で、ベンダー提案を主な判断材料とする担当者の89.4%が不安やリスクを感じており、組織としてどのような不安やリスクを感じているかを尋ねたところ、「提案内容の妥当性を検証できる人材や体制が院内にいない」が70.6%と最も多かった。

体制が強化された場合に優先して取り組みたい項目では、「DX推進のための組織体制や推進プロセスの整備」が24.1%、「セキュリティー対策の方針策定と組織的な管理体制の構築」が22.2%となった。外部の専門事業者への委託は、82.8%が必要性を感じており、ユカリアでは中小病院のDX推進には人員体制の見直しと外部支援の活用がカギになると分析している。
調査は、100~400床の中小病院で情シス専任担当者が5人以下の施設を対象に、2月19日から24日にかけてインターネットで実施し、105人から有効回答を得た。これに先立つ調査では、対象病院のうち専任担当者が1人の病院は13.2%に上り、半数を超える病院が3人以下の体制で運営していることも明らかになった。