医療機関の倒産、休廃業・解散 2年連続で過去最多を更新 帝国データバンク調査

帝国データバンクは1月23日、2025年に発生した病院・診療所・歯科医院の倒産、休廃業・解散の発生状況の調査結果を発表した。2025年の倒産は66件で、休廃業・解散は823件となり、それぞれ過去最多を更新した。

病院・診療所・歯科医院の倒産件数の推移
病院・診療所・歯科医院の倒産件数の推移

倒産は、最多だった2024年(64件)を上回って過去最多となった。業態別では、「病院」が13件、「診療所」が28件、「歯科医院」が25件だった。3業態ともに過去2番目に多い件数となり全体を押し上げた。態様別では「破産」が63件、「民事再生法」が3件(病院、診療所、歯科医院各1件)となり、破産が全体の95.5%を占めた。

負債総額は、242億1900万円(病院:180億5000万円、診療所:47億4400万円、歯科医院:14億2500万円)。前年から14.2%減少したが、3年連続で200億円を超えた。倒産主因を分析すると、「収入の減少(販売不振)」が48件(構成比72.7%)で最も多く、「経営者の病気、死亡」(5件)、「設備投資の失敗」「経営計画の失敗」(各3件)が続いた。

背景には、近年の医療機器・器具、メンテナンス費用、食材費、光熱費などの高騰や人材採用費の増大、賃上げ対応などに伴う大幅なコスト上昇に対し、診療報酬の改定が連動していなかったことがあるという。

休廃業・解散は、2024年(723件)を上回って過去最多だった。10年前と比べて2.3倍、20年前との比較では5.9倍に増加している。業態別では「病院」が15件、「診療所」が661件、「歯科医院」が147件で、「診療所」と「歯科医院」が過去最多を更新した。

休廃業・解散件数が増加し続けている最大の要因は、医療機関全体の80.3%を占める「診療所」の経営者の深刻な高齢化と後継者不足にあるという。帝国データバンクが全国の診療所経営者の年齢分布を調べたところ、70歳以上の経営者が全体の56.7%を占め、歯科医院(26.1%)を大きく上回った。

同社では、病院の経営状況の悪化や診療所における経営者の高齢化、後継者不在などを大きな要因として2026年も引き続き医療機関の倒産、休廃業・解散は高水準で発生し続けると予想する。

一方で、こうした状況を受け、2026年度診療報酬改定は、物価高や賃上げに対応するため本体部分を30年ぶりに3%を超える大幅な引き上げが決まっており、病院の収益改善が進むのか、倒産動向に影響するのか注目されるとしている。