山口大、「猫ひっかき病」の迅速検査キット開発でクラウドファンディング
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山口大学の「猫ひっかき病」の迅速検査キット開発のCFページ
山口大学は1月19日、猫から人に感染する感染症「猫ひっかき病」を、医療現場ですぐに診断できる迅速検査キットの開発・実用化でクラウドファンディング(CF)を開始したと発表した。目標金額は400万円。1月19日~3月18日の期間で実施する。
「猫ひっかき病」は、猫と接触した際のひっかき傷やかみ傷、ノミなどによって、バルトネラ・ヘンセレ菌に感染することで発症する病気。リンパ節の腫れや発熱が主な症状で、特に小児の罹患(りかん)が多いという。国内では年間で約1万人の患者がいると推定されている。
山口大学大学院の医学系研究科病態検査学講座は、「猫ひっかき病」の診断で血清検査を実施する国内の主要研究機関。約30年にわたって検査を行っている。日本感染症学会や日本臨床微生物学会が公認する先進的感染症検査施設として、「猫ひっかき病」の確定診断の血清検査で国内では主要な役割を担う。
山口大では、現在の検査法は準備に多大な時間と労力が必要で、検査自体も容易でなく、国内で検査を実施する施設は限られ、多くは海外に外注されている。そのため、診断に時間がかかることから、即座に診断できる迅速検査キットの開発・実用化に取り組むことにした。
プロジェクト名は「猫と安心して暮らしたい!猫ひっかき病検査キット開発に支援を!」。サービスはCF大手のREADYFOR(レディーフォー、東京・千代田区)を利用する。目標金額に達成した場合のみ支援金を受け取る。長年の研究で蓄積した「猫ひっかき病」の検査データと技術を活用し、インフルエンザ検査キットのように、その場で誰でも簡単に判定できる迅速診断キットの開発を目指す。
プロジェクトメンバーで、病態検査学講座の常岡英弘・特命教授は「人獣共通感染症、猫ひっかき病の早期発見と早期治療につながる新しい診断検査キットが完成すれば、猫を愛する人たちが、もしもの時もすぐに診断を受け、安心して治療に専念できるようになる」とコメントしている。1月31日に宇部市立図書館で市民公開講座も開催する。