エルピクセル、大腸内視鏡診断支援AIが診療報酬の加算対象に

「EIRL Colon Polyp」の使用イメージ

エルピクセル(東京・千代田区)は8月1日、大腸内視鏡診断支援AI(人工知能)ソフトウエア「EIRL Colon Polyp(エイルコロンポリープ)」が、同日から診療報酬の加算対象になったと発表した。

「EIRL Colon Polyp」を使用し内視鏡的大腸ポリープと粘膜切除術を行うと、病変検出支援プログラム加算で保険点数が60点加算される。これまで内視鏡的大腸ポリープと粘膜切除術で病変検出支援プログラムを使用すると、既存の診療報酬項目の中での包括的評価となり、個別に保険点数が加算されない「A1(包括)区分」として算定されていた。

しかし、2024年6月から実施された診療報酬改定で、「K721 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」の「注3」として、病変検出支援プログラムを使用して行った場合の「病変検出支援プログラム加算」が明記された。算定には中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会で審議を受ける必要があるが、「EIRL Colon Polyp」は、2024年7月11日に実施された専門部会での審議が終了した。

「EIRL Colon Polyp」は、大腸内視鏡の検査中に通常白色光モードで入力された大腸内視鏡画像情報から、隆起型と表面型(表面隆起型)の大腸ポリープ候補を検出する。検出後は、メイン画像の四隅にアラート枠を表示し、大腸ポリープ候補の四隅を囲む矩形を表示する。初期導入費用を抑えた価格体系で、UI設計も医師の使いやすさにこだわった。

エルピクセルによると、国内のがんでの死亡数で、大腸がんは肺がんに次いで第2位で、死亡者数は年々増加。このため、大腸がんの早期発見と早期治療は重要で、AIの診断支援が解決策の1つで見込まれているという。

同社は、「EIRL Colon Polyp」の販売を2022年11月に開始。これまでに大学病院やクリニックなどの医療機関に提供してきたが、AI画像診断支援ソフトウエアを使用しても、診療報酬が加算されないことが導入のハードルとなっていた。今回、AI画像診断支援ソフトウエアの診療報酬の加算で、AI診断支援技術の社会実装が加速するとみている。