harmo、ネット非接続の電子カルテに電子お薬手帳の薬剤情報を転送する新機能

シミックホールディングス(HD)傘下で、医療情報の電子化を手掛けるharmo(ハルモ、東京・港区)は10月10日、電子お薬手帳などのサービスを提供する「harmo(ハルモ)」のシステムを経由して、インターネットに接続されていない電子カルテに電子版お薬手帳の薬剤情報を直接転送できるオフライン転送機能を新たに追加したと発表した。

「harmo」システムでネット非接続の電子カルテに電子版お薬手帳の情報を転送する仕組み(赤枠部分が今回の実装部分)
「harmo」システムでネット非接続の電子カルテに電子版お薬手帳の情報を転送する仕組み(赤枠部分が今回の実装部分)

オフライン転送機能は、電子カルテを閲覧するPCはインターネットの接続が不要で、バーコードリーダーを活用し、電子版お薬手帳の薬剤情報を電子カルテに手入力なしで転送できる。電子カルテのテキスト入力欄の記入であれば、改修を行うことなく導入・運用が可能。

オフライン転送の仕組み
オフライン転送の仕組み

保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)が策定する、医療情報の標準化を目的としたデータフォーマット「JAHIS」形式での転送にも対応する。日本薬剤師会の電子お薬手帳サービスの相互閲覧サービス「e薬Link(イークスリンク)」で取得した、他社の電子版お薬手帳の薬剤情報も転送できる。開発には筑波メディカルセンター(茨城・つくば市)の糸賀守・診療技術部副部長が協力した。

同社によると、電子版お薬手帳を医療機関で活用する場合、薬局と医療機関の情報連携におけるインターネット接続環境が障壁の1つとなっており、病院は、セキュリティー上の理由でインターネット接続が制限されていることが多いという。

そのため、オフライン環境下の電子カルテに同社システムの薬剤情報を転送するには、病院スタッフの手入力が必要で、入力作業には時間がかかることに加え、情報の抜け漏れが発生するリスクになっていた。そこで、バーコードリーダーを使って、オフラインの電子カルテに薬剤情報を転送できる機能を開発した。

今後は、電子版お薬手帳が保有するPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)情報もオフラインで活用できる仕組みの構築する。