大陽日酸、医療機器をリアルタイム確認可能な在宅医療向け遠隔モニタリングシステム開発
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日本酸素ホールディングス(HD)傘下で産業ガス事業の大陽日酸(東京・品川区)は9月30日、グループ会社で医療機器の輸入・販売などを手掛けるアイ・エム・アイ(埼玉・越谷市)と、在宅医療向けの医療機器の遠隔モニタリングシステム「RingWell(リングウェル)」を共同開発したと発表した。

「RingWell」は、遠隔から医療機器の運転状況や患者の生体情報をリアルタイムで確認できるクラウド型プラットホーム。患者宅に対象の在宅医療機器と共に専用のIoTゲートウェイを設置することで、Bluetooth(ブルートゥース)かUSBの通信を介して医療機器からデータを収集できる。遠隔監視対象の在宅医療機器は、酸素濃縮装置、パルスオキシメータ、血圧計、アイ・エム・アイの人工呼吸器。
収集したデータはインターネット経由でクラウドサーバーに蓄積し、システムの画面上でデータを閲覧することが可能。在宅医療で指導管理を行う医療従事者、機器の設置や点検、緊急対応を担う在宅サービス販売店はシステムを通じて必要な情報を取得できるため、業務の効率化が図れるという。また、医療機関はシステムを導入することで在宅酸素療法の診療報酬の遠隔モニタリング加算が可能になる。
大陽日酸では今後、システムの機能追加や加え、接続可能な医療機器のラインアップを拡充する方針。加えて、同社の院内医療機器データ連携システム「IDM」を利用し、医療機関内に設置した人工呼吸器、瞳孔記録計機器などのデータを電子カルテと「RingWell」に連携させることで、データ利用と警報時に迅速な対応を可能にすることも検討している。