エクスメディオ、「皮膚がんエキスパートライン」千葉地域医療連携モデルで専門医受診が1.4倍増

医師向け専門医相談サービスのエクスメディオ(東京・渋谷区)は8月19日、国立がん研究センター東病院皮膚腫瘍科の監修で進める希少疾患早期発見の専門医相談プログラム「皮膚がんエキスパートライン」の2024年度活動成果報告を発表した。

「皮膚がんエキスパートライン」は、希少がんのメラノーマを含む皮膚がんの早期発見・早期治療・疾患啓発を目的とした、医師向けの専門医相談プログラム。クリニックや中核病院の医師が、オンラインで皮膚がん専門医に診断や治療の相談を無料でできるオンラインコンサルテーション(医師向け専門医相談サービス)や、専門医への適切な紹介を支援する施策などを提供する。

プログラムは、地域の医療機関と専門医との縦の連携と、皮膚がん専門医同士の横の連携を強化することで、早期発見や早期治療、疾患啓発につなげる。縦の連携では、千葉県東葛地区をパイロットエリアに活動を実施する。

本プログラムで実現を目指す縦と横の連携(イメージ)
プログラムで実現を目指す縦と横の連携(イメージ)

2024年度の取り組みでは、地域クリニックへの「皮膚がんエキスパートライン」の趣旨、活用方法の周知を始め、皮膚科開業医向けウェブセミナーの開催、賛同施設への継続的な情報提供、国立がん研究センター東病院皮膚腫瘍科の専門医によるオンライン相談窓口の提供が行われた。

その結果、千葉県東葛地区の皮膚科クリニックの半数以上が取り組みに賛同。賛同医師の92%が「専門医への紹介に対する重要性の理解が深まった」と回答。また、専門性の高い皮膚がん診療で、国立がん研究センター東病院への紹介患者が前年度比で144%に増加した。

エクスメディオは今回の結果を受け、今後はほかの希少疾患でも同様の仕組みを展開し、医療アクセス改善と診断の迅速化を目指すとしている。