電話業務の負担をSMSで60%削減──大津赤十字病院に学ぶ病院DXの実践例

橋本智広・大津赤十字病院医療情報課長

自院でDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めたいが、どこから着手すべきか迷う―。そんな声をよく聞く。大津赤十字病院では、大規模なICT(情報通信技術)の導入ではなく、日々の業務の中で感じる“小さな困りごと”に着目し、現場発の改善を積み重ねてきた。

中でも、職員の業務負担を確実に軽減し、患者にも好評だったのが、診断書完成の連絡業務を電話からSMS(ショートメッセージサービス)に切り替えた取り組みだ。この施策を通じて、病院DXの考え方と進め方を、同院の橋本智広医療情報課長に聞いた。(医療テックニュース編集部 編集長 米谷知子)

電話からSMSの移行で業務も患者対応も効率化

大津赤十字病院では、診断書の完成を患者に知らせる際、従来は医事課の職員が1件ずつ電話をかけて対応していた。しかし、患者と連絡がつかない、留守電対応や折り返しの取り次ぎが発生するなど、1件の連絡に多くの工数がかかっていた。 …