富士フイルム、患者情報文書案を生成AIで自動作成する「サマリ作成支援AI技術」開発

富士フイルムは7月14日、患者情報文書案を生成AI(人工知能)で自動作成する「サマリ作成支援AI技術」を開発したと発表した。

「サマリ作成支援AI技術」は、患者の検査結果や治療履歴など患者情報を包括的に記載する文書「サマリ」の文案を、生成AIの大規模言語モデル(LLM)を利用して自動生成・提示する技術。一般的に公開されているLLMをベースに開発した独自のLLMを使用し、富士フイルムメディカル(東京・港区)の診療文書管理・診療業務支援ソリューション「Yahgee(ヤギ―)」に蓄積されている診療情報を構造化することで文案を作成する。

生成された文案と関連性の高い診療情報をハイライトして併記するため、医療従事者は、文案を診療情報と照らし合わせて確認するだけで文書の作成が可能で、文書作成業務の負荷軽減が見込めるとしている。

出力されたサマリの文案(左列)を要素ごとに分解して併記し(中央列)、各要素に関連するカルテをハイライト表示する(右列)
出力されたサマリの文案(左列)を要素ごとに分解して併記し(中央列)、各要素に関連するカルテをハイライト表示する(右列)

富士フイルムでは、複数の医師と技術の有効性を検証。「退院サマリ」の作成時間を平均42%、最大で60%短縮できることを確認したという。

本技術が文書作成業務を効率化するイメージ
文書作成業務を効率化するイメージ

同社は、この技術を退院患者の情報をまとめた文書の「退院サマリ」の作成向けに応用し、「Yahgee」の新機能として、今夏から販売する。