大阪けいさつ病院、ネットワンシステムズがクラウド統合管理で安定稼働と運用負荷軽減のネットワークインフラ構築

ネットワークインテグレーターのネットワンシステムズ(東京・千代田区)は4月15日、大阪けいさつ病院(大阪市)のネットワークインフラを構築したと発表した。

大阪けいさつ病院が1月に開院した新病棟のネットワークインフラ環境を手掛けた。同院は、先進医療技術や情報通信技術を活用し、急性期医療の高度化、病院業務の効率化、患者サービス向上と、安全で安心な医療の提供を目指した「スマートホスピタル構想」を掲げている。ネットワンシステムズは、この構想をネットワークインフラの充実を中心に、クラウド統合管理ツールを導入するとともに、コストとセキュリティーのバランスを考慮し構築した。

大阪けいさつ病院の新病院スマートホスピタル構想図

具体的には、導入コストが大きくなる見込みだった、機密情報を扱うネットワークと外部へ接続するネットワークを物理的に分ける同院の初期計画よりも費用を削減した。コスト最適化で、機器やシステムを適切に集約する構成に整理すると同時に、院内のどのポートを利用しても、機器に応じて所属するVLAN(仮想LAN)に自動的に接続する環境を整備。ネットワーク機器の台数やポートを管理する手間を減らすコスト削減と、院内のどこからでも通信できる利便性と安全性を両立した。

有線と無線ネットワークの設定や監視をクラウドから一括実施できる管理ツールを導入。院内ネットワークの状態を可視化し、夜間や休日などに障害が発生した場合でも、リモートから迅速に被疑箇所と影響範囲の確認できるようにすることで、時間や場所に捉われない働き方を可能にし、医療システムのネットワークの安定稼働と運用担当者の業務負荷の削減を実現した。

院内ネットワークの可視化と分析では、クラウド管理ツールを導入し、院内の機器構成やポリシー(方針)、ログ管理、アクセス情報の可視化、利用データの分析を可能にして、通信のボトルネックの特定や最適なリソース配分を行えるようにして、院内ネットワークの安定稼働を図った。

また、使用するスマートデバイスや医療機器が快適に利用できる通信環境を確保すると共に、今後の最先端医療の提供で高度なAI(人工知能)やデータ活用が必要になることを想定し、高帯域に耐える処理能力、通信速度を備えた機器を導入した。

大阪けいさつ病院は、アプリを使った患者への医療情報の共有、職員の勤怠管理システムの導入など、医療サービスと職員の働き方の向上を目的に、多くのパブリッククラウドサービスを利用する。そのため、院外への接続は、ユーザー属性に応じてネットワークのログインを制限するなど、全てのアクセスを検証する「ゼロトラスト」の対応を行った。

同院は今後、さまざまなデータの連携と利活用を目指しており、ネットワンシステムズではデータマネジメントを活用した業務分析などの支援を行っていくとしている。