ユカリア、Sapeetと、川口工業総合病院で生成AIで退院サマリー自動生成の実証実験
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ユカリアは2月19日、東京大学発AI(人工知能)ベンチャーのSapeet(サピート、東京・港区)と、提携医療法人の川口工業総合病院(埼玉・川口市)で、生成AIで入院患者の病歴や経過をまとめた「退院サマリー」を自動生成する実証実験を実施したと発表した。

実証実験では、AIが電子カルテのデータを収集し、ガイドラインに沿った形で文章を作成する退院サマリーの自動生成プロセスを構築。実務担当者が退院サマリを作成し、AIも同じ情報を基に退院サマリを作成し、双方の成果物を比較し、精度を高めるためにAIのアルゴリズムのチューニングを行った。比較とチューニングは複数回を実施した。また、成果物の精度を向上するために、生成AIのプロンプトをチューニングするだけではなく、解析時のアルゴリズムも独自に開発し検証した。実証は2024年8月?11月に行った。
実証の結果、AIは約80%の精度で医療従事者作成と同等レベルの文書を生成できた。病院の実務担当者からは「データ抽出の正確性が高い」「完成度の高い初稿が自動生成される」との評価を受けた。
ユカリアによれば、人材不足を背景に、医療現場の長時間労働が社会問題になる中で、診療記録や書類作成などの事務作業は医療従事者の負担となっているという。中でも、患者の入院期間中の診療内容や経過、退院時の状況などを網羅的にまとめた重要文書の退院サマリーは業務を圧迫する一因になっているとしている。この課題解決に向けて、AI事業で専門家知見を持つSapeetと組み、生成AIで退院サマリーを自動生成する実証実験を行うことにした。
同社では実証結果を受け、今回の技術を利用することで、退院サマリー作成にかかる時間が大幅に圧縮され、その分を患者とのコミュニケーションなどの業務に時間を充てられるようになるとしている。