JMC、あいち小児と、頭蓋縫合早期癒合症術後の頭蓋矯正ヘルメット治療で共同研究
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医療機器の開発などのジャパン・メディカル・カンパニー(JMC、東京・中央区)は1月15日、あいち小児保健医療総合センター(愛知・大府市)と病的頭蓋変形症の「頭蓋縫合早期癒合症」の術後治療で、頭蓋矯正ヘルメット治療が与える影響を検証する共同研究を開始したと発表した。
今回の研究は、治療効果を客観的に検証し、エビデンスの構築を通じて、今後の標準治療の確立を目指すとともに、最終的には術後ヘルメット治療の保険収載にすることを目的に行う。具体的には、頭蓋縫合早期癒合症で縫合切除術後に頭蓋矯正ヘルメット治療が頭蓋形状の改善の影響を科学的に評価する。
JMCは乳児用の頭蓋矯正ヘルメットの開発・製造などを手掛ける。同社によれば、近年、乳児の頭のゆがみの原因は、「位置的頭蓋変形(主に頭の向き癖が原因)」と「病的頭蓋変形(頭蓋縫合早期癒合症や水頭症など、頭蓋の病的疾患が原因)」に大別されることが広く認識されるようなっているという。
その中で「病的頭蓋変形」の治療では外科的手術が必要なケースが多く、特に頭蓋縫合早期癒合症では、月齢や症例で適応される手術法が異なる一方、近年では、内視鏡または直視下での縫合切除術と術後の頭蓋形状誘導ヘルメットの併用治療法が広く実施されているとしている。
しかし、術後ヘルメット治療の具体的な効果や標準的な治療法は、現在は統一された見解が存在せず、標準化された治療法の確立が課題になっており、同社では、この課題解決で共同研究を行うことにしたという。