順天堂大、M3AIとのAI活用した心エコー研究が北米心臓病協会の最新科学トピックに
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順天堂大学は11月22日、医療向けAI(人工知能)を手掛けるエムスリーAI(M3AI、東京・港区)のAIを使った心エコー検査の効率化を実現した研究が、心臓病の世界的な臨床ガイドラインを策定するAHA(北米心臓協会)の最新科学トピック「Late-Breaking Science-Scientific Sessions2024」に採択されたと発表した。
今回の研究では、M3AIの超音波画像解析ソフトウエア「Us2.ai」を使用し、AIを使用する日と使用しない日を無作為に割り付けて、それぞれで心エコー検査を実施する検査担当者のパフォーマンスと読影精度の比較と評価を実施した。その結果、計測項目数は25から85項目(3.4倍)に増加、検査時間は短縮、1日あたりの1検査室の検査数は14.1から16.7件(1.18倍)に増加した。また、検査が多かったにもかかわらず、検査担当者の疲労は増えなかった。
順天堂大によると、心臓疾患は世界各国で死因として上位に挙がり、日本では死因の第2位にあたる。心エコー検査は、心臓の機能、形態を評価する検査で、診断において非常に重要な検査だが、検査技師不足や検査手技の難しさから、必要な患者が、すぐに検査を受けられない施設や地域が多く存在するという。そのため、今回の研究で活用した超音波画像解析ソフトを全国の医療機関に展開することで、医療現場の効率化と診断精度向上が期待できるとしている。