OPE×PARK、丸紅、NTTコムなどと、遠隔手術支援と手術映像の教育活用の実証実験

術中情報統合システム開発などを行うOPE×PARK(オペパーク、東京・品川区)は10月8日、丸紅、国際医療福祉大学(栃木・大田原市)、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)と、手術記録システム「OPeDrive(オペパーク)」と高セキュリティー通信サービス「MEC(メック)ダイレクト」を活用した遠隔手術支援の実証実験に成功したと発表した。

実証実験のイメージ
実証実験のイメージ

実証実験では、国際医療福祉大学成田病院と国際医療福祉大学三田病院をフィールドに実施。成田病院の術中を想定した模擬映像を「OPeDrive」に保存し、「MECダイレクト」を経由して三田病院にいる医師に伝送。伝送した映像を基に、三田病院からアドバイスを出し、成田病院の執刀医に遅延なく通じているかを評価した。

実験で利用した「OPeDrive」は、手術映像の記録や編集、症例学習が可能なシステム。術野に加え、周辺映像や機器映像を時間同期して録画が可能で、術中の重要なポイントで音声の自動認識を使ったコメントの挿入などができる。

「MEC ダイレクト」はNTTドコモの「docomo MEC(ドコモメック)」のオプションサービス。端末とMEC基盤を直結し通信経路を最適化することで、低遅延で高セキュリティー通信を実現する。「docomo MEC」は、スマートフォンなどにできるだけ近い場所にサーバーを配置することで一般のパブリッククラウドよりも通信距離を短縮し、独自ネットワーク内で通信を行うことでリアルタイム性やセキュリティーの向上を図るサービス。

実験では、手術支援の映像を「docomo MEC」に保存し教育コンテンツとして三田病院からセキュリティーを担保した状態で閲覧可能かも評価した。実験結果、映像伝送の遅延値は500msec(0.5秒)以下と、手術支援と医療教育で活用できることを確認した。

実験は丸紅が管理・統括、国際医療福祉大学がフィールド提供、OPE×PARKがシステム構築・機材提供、NTTコムが5G基地局構築、5G回線、端末と「MEC ダイレクト」などの通信システム構築、サービス化に向けた検討を担当した。

NTTコムでは、今回の実証実験の成果を基に、全国のどこからでも高度な医療技術に触れられ、若手医師や地方の医師の教育推進と希少疾患の治療技術を向上する医療従事者向け教育プラットホームの提供を開始する。術中映像の利用は患者の同意が必要になる。10月8日から販売する。