TOPPANら3社、使用済み薬品など管するICタグ回転式ボックス型RFIDリーダ

回転式ボックス型RFIDリーダ

TOPPAN(東京・文京区)は9月6日、電子部品製造のオオクマ電子(熊本市)、金属加工のイワサキ(大阪市)と、医療現場向けにICタグを使った小電力の回転式ボックス型RFID(無線自動識別)リーダを開発したと発表した。価格は1台で約80万円。

読み取り運用のイメージ
読み取り運用のイメージ

リーダは、ICタグラベルを薬品や医療資材などの製品パッケージに取り付け、使用済み製品を入れたパッケージを廃棄用の袋に入れ読み取ることで、使用後の数量確認が一括で可できる。ボックスのきょう体サイズは、使用運用環境に合わせてカスタマイズが可能。

読み取りは、ボックス内に、複数枚のアンテナを組み込み、正面の扉を閉めた状態で、手動で回転し行う。対象物を回転させることで、アンテナから発する電波があらゆる角度で対象物に当たるため、アルミ製パウチなどの素材のICタグやICタグの重なるため起きる電波の阻害を抑え、小電力でも高出力タイプのリーダに劣らない読み取り能力を可能にしした。

TOPPANなどによると、医療機関では、DX(デジタルトランスフォーメーション)や業務効率化の施策でICタグ活用の重要性が高まっていたが、医療現場で主流の高出力タイプリーダは電波利用の申請が必要で、手続きや管理などに手間がかかると課題があったという。そこで、同社では、電波利用の申請手続きが不要なUHF帯特定小電力リーダを活用したICタグシステムを開発した。3社は医療医薬業界をメインターゲットに販売し、2025年度から病院内での本格的な導入活用を目指す。