ドクターメイト、介護施設利用者の認知症ケアで精神科医のオンライン相談サービス開始
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介護事業所向け医療サービスのドクターメイト(東京・中央区)は8月21日、8月から介護施設利用者の認知症ケアに対するオンライン精神科相談サービスを一部地域で開始したと発表した。
オンライン精神科相談サービスは、施設から事前の情報共有を受けた、相談したい利用者の情報を基に、認知症や高齢者医療を専門とする精神科医がオンラインで日々のケアや環境調整、薬剤調整のアドバイスを行う。また、施設内共有用の相談とアドバイスのレポートを同社の看護師が作成する。レポートは、施設内ナレッジの蓄積、家族との相談、精神科のクリニックや嘱託医との情報連携など幅広く使うことができる。
ドクターメイトではサービスを通じて、施設で利用者のアドバイスを基に実践、経過報告を担当精神科医に再度共有し再度アドバイスをもらい実践というサイクルを回していくことで、重度化が進むと負担が重くなる認知症のケアを支援し、利用者本人や家族、施設職員のQOL(生活の質)向上を目指す。
厚生労働省研究班では認知症の患者数は2030年に593万人になり、認知症の予備軍の軽度認知障害(MCI)も含めると認知症患者数は2030年に1100万人を超すと推計。これは、2030年の高齢者推計人口3696万人のうち約30%にあたり、約4人に1人が認知症患者になることを意味する。
また、介護業界では2025年問題を目前に、要介護認定者数が増加傾向で、2025年には815万人になると推定されている。加えて、認知症などを担当する精神科医は、精神科医師数は増加しているものの2022年時点で全医師数の5%程度で、介護施設では精神科医が不足しているという。
同社では、こうした背景から、精神科医1人あたりが診療しなくてはいけない患者数も増加し、適切な認知症ケアのサポートを受けられない介護施設が多くなるとみて、認知症ケアに対する精神科医師オンライン相談サービスを開始することした。