国保白鳥病院、エム・エイドの医療MaaS車両を導入 山間部の高齢者訪問診療に活用

国保白鳥病院が導入した医療MaaS車

医療MaaSサービスのM-aid(エム・エイド、名古屋市)は3月26日、国保白鳥病院(岐阜・郡上市)に独自開発の医療MaaS車両を導入したと発表した。

医療MaaS車はトヨタの「ハイエース(標準ナローハイルーフ・4WDディーゼル)」をベースに製造。看護師一人でも運転できるコンパクトなボディーサイズでありながら、スタッフと患者を含む最大6名が乗車できる室内空間を確保した。4WDディーゼルエンジンを採用し積雪路や未舗装路など山間部の悪路も走行できる。

車両は複数の先進技術を搭載。車内はキャンピングカー製造の知見を生かした超断熱仕様を採用し、郡上市の厳冬期でも車内温度を快適に保ちながら医療処置が行える環境を実現した。走行充電とソーラーパネルを組み合わせたデュアル発電システムを備えており、外部電源なしでも医療機器に安定した電力供給ができる。

DtoPwithN(遠隔地の医師が患者のそばにいる看護師を通じて実施)形式のオンライン診療のデモ風景
DtoPwithN(遠隔地の医師が患者のそばにいる看護師を通じて実施)形式のオンライン診療のデモ風景

シートアレンジは、診察モード・ベッドモード・オンライン診療モード・ミーティングモードの4種類に切り替えが可能。在宅療養支援から緊急時搬送補助まで対応する。災害時や停電時には、モバイル医療拠点としての活用も想定する。

郡上市は岐阜県中部に位置し、市域の約93%を山林が占める中山間地域。冬季には豪雪となる山間部も多く、高齢化率の上昇と医師・看護師不足が重なる中、移動困難な患者への医療アクセス確保が、地域の重要課題となっていた。

特に、在宅療養中の高齢者や要介護者が、必要な医療・看護サービスを適時に受けられない状況が続いており、訪問診療・往診体制の強化が強く求められていた。このような背景から、国保白鳥病院とエム・エイドは連携し、地域の実情に合った医療MaaS車両の導入を進めていた。

今後、国保白鳥病院では、車両を活用した訪問診療・訪問看護体制を拡充し、これまでアクセスが難しかった地区への医療提供を本格化する。エム・エイドでは同院の運用面を支援し、現場の声を反映しながら医療MaaSの実証と改善につなげる。