和歌山県立医大病院、県内病院とHCU・ER連携でリアルタイム遠隔医療システムを運用開始

和歌山県立医科大学附属病院(和歌山・和歌山市)

レセプトコンピューターなどを手掛けるウィーメックス(東京・渋谷区)は1月29日、和歌山県立医科大学附属病院(和歌山・和歌山市)が、橋本市民病院(和歌山・橋本市)などの和歌山県内の医療施設と実施するHCU(高度治療室)・ER(救命救急室)の病病連携に、リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH(テラドック・ヘルス)」が採用され、本格運用を開始したと発表した。

病病連携では、和歌山県立医大病院が「Teladoc HEALTH」を活用し、地域の医療を支える病院と連携することで、人手不足になりやすいHCU・ERの維持・向上や、限られた医療資源を有効活用しながら医療の質の標準化の実現に取り組む。

和歌山県立医科大学附属病院と橋本市民病院の連携の様子
和歌山県立医科大学附属病院と橋本市民病院の連携の様子

遠隔医療システムは、高性能カメラなどを搭載するカート型モデルの「Teladoc HEALTH TV Pro 300」を使用する。橋本市民病院と県内にあるほかの医療機関に各2台ずつ、合計4台を導入し、和歌山県立医大病院の機器と接続する。

具体的には、和歌山県立医大病院が「Teladoc HEALTH」のアプリを通じて、県内の医療施設に設置された「Teladoc HEALTH」の機器にアクセスし、HCU・ERの緊急時に遠隔での診療支援や、生体モニターやカルテ情報などの医療情報連携も含めた回復期のモニタリングを支援する。

定期的に行われるカンファレンスでも活用する。和歌山県立医大病院の専門医が「Teladoc HEALTH」でオンライン接続し、支援先の医師・医療従事者との情報共有やコンサルテーション対応などの支援を行う。今後はシステム活用方法や活用シーンの拡大に向けた協議も進める。

和歌山県は、救急出動件数が増加傾向にあり、特に高齢者の救急搬送が増加。そのため、救急医療体制の堅持や高齢者の救急医療体制整備が求められているが、医師確保や医師の働き方改革の推進という課題に直面している。

また、県内には、へき地診療所34施設、へき地医療拠点病院が6施設あり、民間医療機関からの医師派遣や市町の指定管理者制度によるへき地診療所の運営などで安定的なへき地医療の提供を図っているが、へき地診療所数の減少や無医地区数の増加、対象地域住民の高齢化やへき地診療所常勤医師の高齢化も課題となっている。和歌山県立医大病院では、地域医療をサポートする解決策で、遠隔医療システムを活用した病病連携に取り組むことにした。

井上茂亮・和歌山県立医科大学医学部救急・集中治療医学講座 教授/高度救命救急センター長は、遠隔医療支援の開始について「医療現場では、限られた医療資源で対応せざるを得ない状況が続いており、その結果、救急医療の需要と供給の不均衡が顕在化している。和歌山県の地域医療の疲弊を解決したいという思いがあり、高度救命救急センター長としてのミッションだと考えた」と話している。